コンサルタント養成コース

クライアントを迷子にしない

コンサルティング契約を獲得し、プロジェクトをスタートしました。私としては順調に進んでいると思っているのですが、「全然成果が上がらない」との不満が上がってきて困惑しています。進め方についてはキックオフミーティングで説明したのですが、何がいけないのでしょうか?

クライアントが迷子になっているのが原因です。プロジェクトの全体像/ロードマップを繰り返し示し、理解を確実なものにしましょう。

コンサルティングのクライアントを迷子にしない

クライアントは、コンサルタントほど理解はしていない

コンサルタントとしてコンサルティング商品をしっかりと作り上げているのであれば、コンサルタントはコンサルティングのプロジェクトを120%理解した上で進めていくことができます。

ですが、クライアントのプロジェクトメンバーは、そこまでの理解はしていないのが普通です。
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ですのでコンサルタントは、毎回のプロジェクトミーティングの度に、プロジェクトの全体像や今までの進捗状況、そしてこれから取り組むこと、いつ頃にどのような成果が上がることを目指しているのか等について、くどいほど説明を重ねることが必要です。

「説明したか」ではなく「理解したか」

こう指導すると、「プロジェクトの全体像なら、キックオフミーティングで説明してあります」と反論する方がいますが、それは全く無意味です。

大切なのは相手に「説明したか」どうかではなく、相手が「理解したか」どうかです。一回伝えただけで相手がすべて理解するのであれば、世の中、苦労はありません。

全体像や進捗度合い、今後の見通しへの理解が不足したまま、コンサルタントが自分の思いだけでプロジェクトを引っ張っていくことになると、クライアントは"迷子"状態になります。

不安は不満へエスカレートする

たとえばハイキングに行って、地図も渡されず、現在位置も教えてもらえず、次の休憩地点や目的地への到達予定時刻も知らされず、とにかくリーダーに着いてこい、とだけ言われたとしたら、どんな思いがするでしょうか?

クライアントは"迷子"になると、このプロジェクトに何の意義があるのだろうかと不安になります。そして不安は不満へとエスカレートします。

説明しなくても「わかっているはず」と先入観を持つことは禁物です。コンサルタント目線ではなく、クライアント目線に降りて、プロジェクトを進めるようにしてください。