コンサルタント養成コース

「課題」の設定が成果を左右する

クライアント先でプロジェクトミーティングを開催し、進行役(ファシリテーター)を務めています。いろいろ意見が出るのはよいのですが、どのように結論を導くのかについて、たびたび悩みます。どのように考えればよいでしょうか?

プロジェクトミーティングの結論が備えておくべき3要素は、「何を」「誰が」「いつまでに」です。

「課題」の設定が成果を左右する

コンサルティングのそれぞれの分野で、何が最適な結論なのかはさまざまでしょう。ですが、会議の基本原則として、何らかの結論を出さなくてはいけないことは、言うまでもありません。その際、何をもって"結論"とするかについて、明確なイメージを持っている必要があります。

「何を」「誰が」「いつまでに」を決める

コンサルティングの一環で行なうプロジェクトミーティングは、要は仕事を進め、成果を上げるために行なわれるものであることが通常でしょう。

となると、クライアントが何らかの効果的なアクションを起こすということが結論になる必要があります。

そのような結論が備えておくべき3要素は、「何を」「誰が」「いつまでに」です。

たとえば、問題点がなかなか解決しない、成果がなかなか上がらないといったことがあるとすれば、その解決等のために「何を」すべきなのかが決まっていないことが原因です。

さらに「何を」すべきなのかが決まったとしても、「誰が」やるのか、そして「いつまでに」やるのかが決まっていなければ、仕事として進まず、成果も上がりません。

ですので、結論は、「何を」「誰が」「いつまでに」を決めることだと意識してプロジェクトミーティングに臨めば、結論の導き方がはっきりしてくるでしょう。

「何を」=「課題」の設定が重要

結論の「誰が」「いつまでに」を決めることも極めて重要ですが、その前提となる「何を」について、もう少し詳しくお伝えします。

「何を」とは、すなわち「やるべきこと」のことで、「課題」あるいは「タスク」と言い換えてもよいでしょう。ここでは「課題」としておきます。「課題」とは、「仕事の名前」にほかなりません。

時々、「課題」と「問題点」を混同しているケースがありますので、それらの違いについて説明しましょう。

たとえば、「雨漏りがする」というのは「問題点」です。それ自体は現象の説明であって、仕事の名前でも何でもありません。

「雨漏りがする」に対応する「課題」は何かと言えば、「屋根の修理」や「社屋の建て替え」といったことが相当します。場合によっては、「雨水を受けるバケツの設置」といった課題(仕事)もあり得ます。

このように、「問題点」は一つであっても、取り組むべき「課題」は多数存在します。どの「課題」に取り組むかが成果を左右し、誤った「課題」に取り組むと、十分に成果を上げられなくなるので注意が必要です。

プロジェクトミーティングでは、どの「課題」に取り組むかを決めるための議論・検討が重要であり、さらに「誰が」「いつまでに」を結論にすると考えるとよいでしょう。

「どうやって」は「誰が」が考える

「何を」「誰が」「いつまでに」以外に「どうやって」を決める必要があるのではないか、という考えもあるかも知れません。

ですが「どうやって」は「誰(が)」にあたる人が考えればよいことです。

もし「どうやって」の難度が非常に高いようであれば、当該課題の「取り組み方の立案」という「課題」を設定し、それを「誰が」「いつまでに」取り組むかを明確にすればよいです。

※こちらもご参考に:プロジェクトミーティングでの意見の求め方